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小野篁は、嵯峨天皇の頃から仁明天皇の頃にかけて宮廷にあった人物で、官人であった。
菅原道真(すがわらのみちざね)、紀長谷雄(きのはせお)より遡った時代の文人であり、その文才は、その時代にあって並ぶ者がないとも言われていた。
何度か、遣唐使船で唐へ渡る機会がありながら、船が嵐に遭い、結局それを果たせなかった。
当時、唐の国でまだ存命であった詩人の白楽天が、
「ぜひとも会いたし」
このように言っていたともいう。
結局、小野篁の入唐はならず、この両名の才人の邂逅はなかった。
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