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肌の色白く、眉目秀麗なるも、無口でめったに笑うことはなかった。
必要なことを必要な量だけ口にする。他人が自分のことをどう評価しているかということに──というよりも、この世の俗世のことに、興味などないように周囲からは見えた。
承和十三年秋、太政官の左中弁となったが、いきがかり上になっていきがかり上その職務を果たしている。──と、まわりの人間からはその眼に映った。
しかし、仕事にはそつがない。
悪いのはつきあいだけであった。
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