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ぎぃっ…。
扉の開く音に男はゆっくりとした動作で振り返りました。
そこには長い金髪の美しい女が立っていました。
濡れた前髪から雫を滴らせ、覗く蒼い瞳に男は僅かに瞳を見開きました。
「…こんな所に人がいるなんて」
「それは私の台詞でもあります」
男は嘆息混じりに言うと女は苦笑を洩らしました。
「貴方は神父様?」
男は虚をつかれたように驚いてから、ここが教会なのを思い出して笑みを浮かべました。
それは自嘲めいていました。
「違いますよ。どちらかと言えば逆ですし」
意味深な言葉に女は首を傾げたが男がそれ以上話さないと分かり諦めました。
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