伝説の始まり~Z33~

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3日後.. 優は退院した。 山本の葬式も終わり、通常の生活に戻ろうとしていた。 プルルル~♪ 優のケータイが鳴る。 吉田さんからだ。 「優、今日学校が終わったら、店に来てくれ。」 用件を言うと吉田は返事も聞かずに電話を切った。 優は今日は行くつもりじゃなかったが、呼ばれたので行くことにした。 山本さん.. 優の頭からは山本が離れない 思い出がたくさんある 涙が溢れてきた.. NERに着くと、そこには深紫のZが置いてあった。 VeilSideのフルエアロ 乗りたかったZ 一番好きな車 一番好きなエアロ だけど優は蒼いZに乗りたかった。 みんな知っている。 だから自分のじゃないと思い、少しがっかりした。 「まだ高2だし、あり得ないよな..」 一人でつぶやきながら、Zに見とれる。 深紫.. 光に当たり、微かに紫色に見える.. 山本さんの33Rと同じ色 しばらくすると、吉田さんが店内から出てきた。 「優!元気か?カッコイいZだろ?」 吉田が笑いながら優に話しかける。 少しひきつった笑顔 山本の話は何故かしない 気を使ってくれているのだろう.. だが、優はZに見とれすぎて、その表情までは気づかなかった。 「体も全然痛くないし、大丈夫だよ!このZ、すごいオーラが出てる..」 「俊二のZを改造したんだ。エアロ変えて色も塗り直して、パワーも少し落としておいたよ。」 吉田が話始める。 「今日からお前のZだ。でも、まだお前は16だろ?この前のことも踏まえて、乗るか乗らないか考えてみろ。」 「俊二さんのZじゃ..」 優はあのときの言葉を思い出し、口を止めた 「俺が降りるときは、貴が降りるときだ」 「俺が降りたら、お前にZをやるよ」 優はすぐに返事をした。 「..乗る..乗るに決まってる!!」 (そして..あのFDを撃墜す..) 優の決意は固かった。 吉田は笑いながらZのキーを渡す。 「これだけは覚えておけ。車は..いつだって裏切ろうとしている..じゃあな」 と言うと吉田は店内に戻ろうとした。 優はZを見ながら吉田に聞いた。 「なんで..紫なんすか?」 吉田はこっちを見ず答えた。 「俊二が紫にしてくれって言ったんだよ。気に入らないか?」 優はううんと否定しZを見つめる。 今日から俺のZ.. あの時の思い 今実現させてやる.. 優とZの物語は始まったばかりだ.. 伝説の始まり END
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