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AM01:40
首都高
新環状左回り
FDはまだ煽り続けている
山本は俊二に電話をかけた。
「俊二..あいつが今後ろに居る..3年前に消えたFDが居る..来てくれないか?」
山本がこんなにあわてている姿を初めて見た。
「やめろよ!!!優が乗ってるんだろ!?まだガキなんだぞ..」
俊二の声が微かに電話から漏れる..
「だから..優を拾いに来てくれって言ってんだよ!!!俺だって優を死なせたくない!!でも..あいつが居るんだよ..確かにあいつだ..あの紅いFD..あいつなんだよ..」
山本がこんな話し方をしているのを初めて見た..
そんなに..このFDとバトルしたいのかな?
優は事情がわからないから混乱している..
「わかった..今すぐ行くから、アクセルはこれ以上踏むなよ..」
山本は電話を切ると
また無言になる..
その時
FDが右に出てスピードを上げてきた..
山本が焦る..
「悪い..優..俊二が来るまで少し我慢してくれ..一生のお願いだ..」
山本の目つきがいつもと違う..
優は頷くしかできなかった..
山本さんなら
大丈夫だろう..
優は"走る"ことの怖さを知らない故に甘い考えをしていた..
今から
"走る"怖さを
身にしみて感じることになるなんて
優は思いもしなかった..
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