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渚「あ~…だるい…」
毎日そんな気分で朝を迎える。
決まって朝の7時に携帯のアラームが、部屋に嫌なリズムを撒き散らし始めた。
知ってか知らずか、私の体はちゃんとそれより早く機能してくれる。
物分かりがいい自分で毎朝不快な音楽に起こされることもない。
こうなると、このアラームの使い道がないのだが
どうでもいい毎日には、どうでもいいことが必要なのだ。
『……今日何曜?』
と心の中でつぶやく。
すかさず、私は
渚「火曜」
と口で答えた。
全く、分かっているのなら聞かなくても、いいだろうに…。
一人でぶつぶつ考えながら、疲れのとれない腰を持ち上げる。
渚「ん゙ぁ~……」
立ち上がると同時に両手を掲げ、背伸び。
156㌢。やや低めといったところか。
中学を卒業してから牛乳を飲んでいないせいだ、と言い訳をする。
誰に?
自分しかいない。
しばらく呆然と立ち尽くし、目の前にある鏡で『私』という個体を確認。
『……誰コイツ…』
寝ぼけた私はボケてみた。
母「早くしなさいよ、もう7時過ぎてるわよー!」
弟を起こす母の声。
『怪獣』だ。
弟「分かっとる!!」
我が弟、裕一も私に似て口が達者なようで、軽く反論し始めた。
歳は13。中学1年の生意気なクソがきんちょだ。
たしか……
学校では『リーダー』と呼ばれていたような…
母「渚~!今日お茶はー!」
私がいる部屋から母のいる玄関までは、たったの3㍍しか離れていないというのに
母のこの叫び声といったら…。
実に『怪獣』だ。
渚「…いる」
母「は?!何!!?」
渚「だから、いるって言ったやろ!!」
母「……」
普通に答えたんじゃ母の耳つんぼには届かない。
大声で言い返せば
母「そんな怒らんでよかろ~」
と、拗ねる。
ほんと、どっちが子供なんだか。
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