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旅の準備が終わった俺は、とりあえず出発前に親である国王と王妃に挨拶することにした。
そして今"謁見の間"にいる…。
「それでは行ってまいります」
「うむ。気を付けて入ってまいれ。マイボーイ」
クソ親父氏ね。
「バカ息子、国勢調査に行く上で渡すものがあります…」
そう言って王妃が取り出したのは、黒いダイヤを埋め込んだ綺麗な装飾のネックレスだった。
「これは『デメテリアの証』。何か困ったことがあればこれを使いなさい。とっても貴重な物だからくれぐれも無くさないように。もし無くしたら……」
母から放たれる黒いオーラに怯えながら、受け取ったネックレスを首に掛けてシャツの中に入れた。
「それじゃあ行ってくるよ」
「おお!できるだけ早く帰ってこいよ!」
「もう二度と帰ってこなくていいわ」
2人の見送りの言葉に苦笑いの俺は、謁見の間を後にした。
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