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あれから。
ミステリー研究会のメンバーは、次々に遺体となって発見された。
でも一人だけ、未だに見付かっていない人物がいる。
それが、大崎高校3年の黒木幸枝だ。
もう生存している可能性は極めて低いが、彼女が館内にいることは間違いない。
警察は彼女を見付け次第、ようやく館の取り壊し作業を行う方針らしい。
その時、何気なく点けていたテレビからニュースが流れてきた。
『…では次のニュースです。過去に○○市で起きた14人惨殺事件。この事件の舞台となった蓮見総二の屋敷が、ついに取り壊されることが決定しました。
このきっかけとなったのは当時行方不明となっていた蓮見家の次女、蓮見メアリーが発見されたことであり…』
プチッ
「もうずっとこればっかだな…」
何か面白いのやってないのかよ、とチャンネルを変え始める千秋。
斗志はその切り替わっていく画面をただぼんやりと眺めていた。
そう、事件後。
このニュースは県内に流れ、今や人々の注目が集まっていた。
と言っても、メアリー・ケイのことや死者が出ていることは公表されていない。
あくまで蓮見メアリーの遺体が発見され、事件の真相が明らかになったことのみ。
人々の混乱を避けようとした、警察の判断だった。
ピピピッ
「ん?」
“ニュース速報”
その時、急にそんなテロップが画面の上に表示された。
続けて、その内容が現れる。
“蓮見家の館 作業中に床の一部が崩壊 作業員数名が重軽傷”
そんな文章だった。
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