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力気無く、教室へ戻る。
「里子!ごめんね、急だったよね。」
ともちゃんが、焦って謝って来る。私は、その言葉をまるで夢現で聞く。
「里子。巴は心配して言ったんだよ。解るよね?」
ひろちゃんこと。武田紘絵(たけだひろえ)は、フォローしている。
「里子?大丈夫?」
あっちゃんこと。厚田志奈子(あつだしなこ)が声を掛けてくれた。
「後で話すね。」
そう言うのが、精一杯だった。みかちゃんこと。岸野美華は優しく頭を撫でてくれた…。
放課後。私達は、近所の駄菓子屋さんに寄って500円分たっぷり買った。それを持って、公園へ向かった。
「厚田~、そのきな粉一個ちょうだい。」
「巴ちゃんのよっちゃんイカと、交換~。」
「持ってけ~。」
何も触れずに、いつも通りに接してくれる4人。
私は、意を決して話し出した。声は…震えてた。
「新井君…転校するんだって。いつ…とか。何処とかは解らないけど。」
「誰から聞いたの?」
ともちゃんが、聞く。
「佐田先生。」
「美弥ちゃん情報、正しいもんなぁ…。」
酢だこさんを食べながら、ひろちゃんは話す。側で、ブランコを立ちこぎしながらともちゃんが言った。
「後悔したくないなら、告白しなさい。」
「え!無理だよ!」
「里子、引っ込み思案の臆病者だもんね。」
サラリと傷付く一言を、あっちゃんは言い放つ。でも…正しいんだ。
それに、それがあっちゃんの優しさだって知ってるから…。
「後悔したくない。」
絞るように。でも、力強く私は言った。
「だって、好きなんだもん。」
言いながら泣けてきた。涙声で、皆に言った。
「よく言った。」
あっちゃんは、私の頭を抱き寄せて言ってくれた。
「里子なら出来るよ。いざという時、一番強いんだからね。」
と…。
「頑張れ。」
笑顔でみかちゃんが言ってくれた。
「うん。」
“変わろう”
強く、そう思った。
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