約束のホームで待ってて

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2 力気無く、教室へ戻る。 「里子!ごめんね、急だったよね。」 ともちゃんが、焦って謝って来る。私は、その言葉をまるで夢現で聞く。 「里子。巴は心配して言ったんだよ。解るよね?」 ひろちゃんこと。武田紘絵(たけだひろえ)は、フォローしている。 「里子?大丈夫?」 あっちゃんこと。厚田志奈子(あつだしなこ)が声を掛けてくれた。 「後で話すね。」 そう言うのが、精一杯だった。みかちゃんこと。岸野美華は優しく頭を撫でてくれた…。 放課後。私達は、近所の駄菓子屋さんに寄って500円分たっぷり買った。それを持って、公園へ向かった。 「厚田~、そのきな粉一個ちょうだい。」 「巴ちゃんのよっちゃんイカと、交換~。」 「持ってけ~。」 何も触れずに、いつも通りに接してくれる4人。 私は、意を決して話し出した。声は…震えてた。 「新井君…転校するんだって。いつ…とか。何処とかは解らないけど。」 「誰から聞いたの?」 ともちゃんが、聞く。 「佐田先生。」 「美弥ちゃん情報、正しいもんなぁ…。」 酢だこさんを食べながら、ひろちゃんは話す。側で、ブランコを立ちこぎしながらともちゃんが言った。 「後悔したくないなら、告白しなさい。」 「え!無理だよ!」 「里子、引っ込み思案の臆病者だもんね。」 サラリと傷付く一言を、あっちゃんは言い放つ。でも…正しいんだ。 それに、それがあっちゃんの優しさだって知ってるから…。 「後悔したくない。」 絞るように。でも、力強く私は言った。 「だって、好きなんだもん。」 言いながら泣けてきた。涙声で、皆に言った。 「よく言った。」 あっちゃんは、私の頭を抱き寄せて言ってくれた。 「里子なら出来るよ。いざという時、一番強いんだからね。」 と…。 「頑張れ。」 笑顔でみかちゃんが言ってくれた。 「うん。」 “変わろう” 強く、そう思った。
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