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バレンタインデー
~バレンタインデー~
祐樹にあげるチョコを買うためにデパートに来たが、色んなものに目移りしてなかなか決まらない。
「ビターチョコも良さそうだけど、祐樹は苦いのは苦手だからホワイトチョコにしようかしら…」と二つのパッケージを何度も見比べながら呟くように言った。
しばらくして
「よし!じゃあこっちにするか」とホワイトチョコを手にレジに向かう。
お金を払うと店員が
「ラッピング致しましょうか?」と聞いてきたので
「可愛くしてね♪」と嬉しそうに答えた。
家に帰ると祐樹の部屋に入り、机の上にそっとチョコを置いた。
それにしても汚い部屋。
いつから掃除してないのかしら…
夕方になると祐樹が帰ってきて、そそくさと自分の部屋に入り、しばらくすると部屋から出てきてテレビを見始めた。
「祐樹ぃ~。洗濯物があるなら洗濯機に入れときなさいよ」と言うが
「後で入れとく…」とテレビに集中してるみたいで、適当な返事だ。
「後じゃ困るのよ。じゃあ私が入れとくからね」と祐樹に言っても
「うん…」と言うだけだ。
“仕方ないなぁ”と思いながら祐樹の部屋に足を運ぶと、汚い部屋から靴下とシャツを何とか見付けた。
ふとベッドの上を見ると昼に買ってきたチョコの箱の空箱がある。
祐樹食べてくれたんだ
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