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「ぷぷっ」
「なにあれー」
「なんでこんな所に?」
大急ぎで走って学校に着くやいなや、周りからジロジロと好奇な視線を向けられている事に気付く。
(なんだ?新入生がそんなに珍しいか?)
自分でも何が何だかわからず、ただきょとんとしていると…
「名瀬ーーー!」
聞き覚えのある声がした気がしてそちらを振り返ると、仲の良い友達の一人、圭二郎が顔を真っ赤にしながら笑いを堪えていた。
「あ、圭二郎!よかったー、入学式間に合ったみたいで…。ん?何笑ってんの?」
「だって…お前…おま…ぷぷっ…ぷぷっ…」
駆け寄って来た名瀬を指差しながら、質問を無視して大笑いし始める。
そんな圭二郎の姿を傍らで見ていた少女が、唖然としながらも替わりに口を開く。
「おはよう、名瀬くん。あの…今日家を出る前に、鏡見た?」
申し訳なさそうに尋ねる少女に名瀬は、
「あ、おはよ。それが今日は鏡見る時間なくって…。って、ところで圭二郎はなんでこんなに笑ってんの?」
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