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困り顔の少女をよそに、圭二郎のほっぺをムギュッと抓りながら尋ねると、
「あの…制服が…ね。ぷくくっ」
今の今まで真面目な顔で答えようとしてくれていた少女までもが、肩を震わせ笑い始めた。
「ダメだ~!名瀬くん、そのボケはダメだよ~」
お腹を抱えながら笑い声を上げる少女に、圭二郎のほっぺを抓っていた手が緩む。
(ボケ?ボケってなんだ?っていうか、何で俺の体見て笑ってんの?)
頭の中は(?)で一杯だ。
それでもやはり気になり、ふいと自分の体を見てみると…
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(はにゃぁぁぁ?!)
長い沈黙の後、心の中で素っ頓狂な悲鳴を上げた。
圭二郎や他の生徒達が着ているのは、濃緑のブレザーにチェックのパンツ。
女子も同じく、ブレザーにチェックのスカート。
一方名瀬はというと、群青色の詰め襟。
「名瀬ちゃんはちっちゃいから、もう一年間中等部ですか?ぷぷぷっ」
名瀬の頭をナデナデしながら、圭二郎はなおも笑い続ける。
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