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「この前は悪かった。ごめん。」
謝るのはいつも恥ずかしい。
「お前のこと誤解してた。心の底からビックリ。」
謝られたことに優理花は驚いて、そして笑顔を見せる。
嬉しそう。
「私もシュウ君がごめんて言葉を知ってたって事に心の底からビックリ。」
いたずらっ子のように歯を見せて笑う。
「本性現したなクソガキがっ。」
優理花が足元を叩いてくる。
「マジクソガキっ。」
そのいたずらっ子のほっぺをつねって仕返しする。
「痛いーっごめんなさいっ放してー。」
手を振り払おうと動いた優理花のせいで、しゃがんでいた俺はバランスを崩し、優理花に重なるように倒れた。
そういえば、ドラマみたいなタイミングの事を、俺と香奈はドラミングと言って遊んでた。
だから取材やいろんな場面で秋二のドラミングはとか、ドラミング最高とか言われるたびに妙に笑えた。
ドラマみたいなタイミング、ドラミングで屋上のドアを史隆が開けた。
笑える程いいドラミングだったが、優理花を押し倒している俺を見た史隆はやっぱり怒った。
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