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俺はいちいち他人の事を考えて生活できる程器用にはできていない。
つーか何で考えなきゃいけないんだっていうのが本音。
傷ついたって教えてくれなきゃ分からないだろと気付かないフリ。
気付かなければ無い事と同じ。
「優理花がそうだな。」
社長の口から出たその名前は、鳥肌が立つほど嫌な響きで俺の耳の中に入った。
「そうって、人を傷つけないように考えて生活してるって事すか?優理花が?」
社長も優理花に騙されてる一人だと思うと呆れて笑えた。
優理花は美人なレーベルのスタッフだ。
ちやほやされて育ったんだとすぐに分かる余裕の笑顔が気に障る。
自分が可愛くて美人だということを知っていて、それを得意としている。
最初から嫌いなタイプだと思っていた。
この前、メンバーとケンカをして、その時何故か優理花が俺についてきた。
再三うるさいほっとけついてくんなと言い続けていると、好きだからほっとけませんと言ってきた。
あの笑顔でだ。
『私、人としてシュウ君の事好きですよ。』
そう言って笑う。
そういう風に自分に言われたら嬉しいでしょ。という笑顔。
だから機嫌直せと言っている。
何て言ってやったっけ。
とにかく嫌になって泣かせてやりたくなった。
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