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「…ぅ……」
目が霞みまだハッキリとしない。
―良かった、目が覚めたのね?―
優しい声がする…この声は、僕がよく知っている声に似ている
「…ゼ……ルダ…?」
ぼやける視界で見下ろしている相手の顔を見上げる
「ゼルダ?何を言っているの?まだ意識がハッキリしていないのね、ここはコホリント島よ。」
重たい身体を起こす、ようやく頭がハッキリしてくる。
傍らにいたのは全く見知らぬ少女の姿だった。
「あなたは南の海岸に倒れていたのよ。覚えてるかしら?」
―そうだ船が雷に撃たれたんだ…
ふと、自分の体に本来なら装備してあるはずの物が無くて辺りを見渡す。
「はぁ~大変だっただーよ」
すぐ近くの入り口から髭を生やした男が入っていた。
その髭男が持っていたものは…
「僕の盾だ!」
瞬時に盾を発見し、僕は髭男に飛び付いた
「うわぁっ?!落ち着くだぁ~よ、リンク」
「何で僕の名前?」
「盾の裏に書いてあるだぁ~よ」
ほれ、と言って髭男は僕に盾を手渡した。
僕は盾が戻って安心し装備する。
「あの…剣は…、僕の剣はどこですか?」
剣が無ければ戦えない。
すると、髭男は少し申し訳なさそうな顔をした。
「すまねぇだぁ~よ、盾しか持ってこれなかっただぁ~よ」
「あなたが、この島に流れ着いてから何故だか魔物たちがやたらと狂暴になったの…多分、浜辺にまだあるはずよ」
傍らの少女が付け足すように言った。
「探しに行かなきゃ!」
「危険よ!」
少女が僕を止めようとした。
だけど僕は少女の手をスルリと抜け家を飛び出した。
盾一つで浜辺まで走った。
剣はすぐに見つかった。浜辺に突き刺さっていた。
「―!!」
剣を手にしようとした瞬間、横から岩が飛んできた。
大きさはあまり無いものの、食らえば確実に怪我をしてしまいそうだ。
ッドン!
「っく!」
しきりなしに岩が飛んでくる、明らかに僕を狙っている。
これでは剣に手が出せない。
「っっ何で!」
まるで完璧に僕の邪魔をしているようだ、縄張りにでも入ってしまったのか…
そう思ったときだった
ッドカ!
「うぁぁっ!」
油断していた
後ろから岩が思い切り僕の体に当たった。
体が砕けるかのような激痛が走った
だが、その衝撃で僕は前に倒れ剣に手が届いた。
それを感じ取ったのか、魔物たちはいっせいに僕に飛びかかってきた。
僕は目を閉じた
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