追いかけられる日々

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追いかけられる日々

 僕、桜咲未來(みらい)にはときどき考えてしまうことがある。  モテるとはなんだろうかと。  こんなことを口に出したら周囲から、こいつはなに自分がモテることを自慢しているんだと思うかもしれないが正直にいおう。  僕は女性にモテる。  尋常じゃないぐらいにモテる。  生まれてこのかた小中高と学校の女の子に告白されたことが山ほどある。幼稚園児から同級生、僕より年上の女性や八十を越えるお婆さんと年齢(とし)に関係なく告白された。  ……ほとんど同い年の女の子に告白されるのが多かったが……まぁ、男だし女性に告白されるのは嬉しいことは嬉しいんだけど……断ったはずなのにどうして追いかけられなきゃならないのかなぁ? 「桜咲く~ん! 待って~っ」 「未來く~ん。私と結婚を前提に付き合いましょう」 「桜咲せんぱ~い。弁当を作ったので一緒に食べませんか?」  僕は走ったらいけないことと知りつつも、細心の注意を払いながら人にぶつからないように学校の廊下を走っていた。  なぜなら、後ろから追いかけてくる人たちがいたからだ。 走りながら顔だけを後ろに向けて、追いかけてくる人達を確認する。 先頭から上級生の三年、二年、 後輩である一年生と合計して15人に及ぶ女性に叫ぶように声を上げた。 「先輩さんたち、すみませんが縄を持ちながら待ってと言われて止まる人はいないですよっ。 その後ろの同い年の君たちにいうけど、結婚を前提の付き合いと言う前に手に持っている結婚届と書かれている紙を捨ててから来てくださいっ。 後輩達に聞きたんだけど弁当にドクロのマークを貼っているのはなんでなのかなっ。怪しい匂いがぷんぷんするんだけどっ」 彼女たちの答えは、 「「「気にしないで」」」 うーん、見事にハモっているね。
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