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一方、城下町では暴動が起こっていた。
「ふざけるな!クーデターだと!!」
「あんな身勝手な行為を許せるか!!」
エンデュミオン宮廷へと続く道の前にある門の周りに暴徒と化した臣民が物を投げたり罵声を飛ばしている。
そこに数台のジープが停まった。
「パルチザンだ。シャロン!」
一台のジープから一人の女が降りてきた。
「皆、下がってくれ。あとは我々が」
彼女の名前はシャロン=エレット。
21歳にして市民パルチザンのリーダーで、テロや反乱などではなく基本的には話し合いで揉め事を解決しようとする。
そのため市民から高い支持を得ており、全体のまとめ役にもなっている。
だが、今回は違った。
「ビクトリア、奴を認めるワケにはいかん。我々は宮廷に総攻撃をかける。だが、パルチザンでない者は手を出すな」
ジープの中から武装した市民たちが次々と降りてくる。
「しかし、いくらシャロンでもこれだけの人数では無理じゃ…」
市民の一人が危惧して言った。
「安心しろ。強力な助っ人が来る」
すると、遠くから大きな市民パルチザンのトラックが二台こちらへ向かってきているのが見えた。
「スラムパルチザンだ」
シャロンは平然と言った。
しかし、他の者は驚いた。
「奴らを呼んだのか!?」
「あいつらの頭は利口だ。話がわかる」
シャロンは笑みを浮かべた。
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