第壱話 ハジマリの日

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ローラシア帝国、帝都エンデュミオン。 宮廷の最も大きな部屋には大勢の皇族や貴族、軍部官僚がいた。 この日はローラシア帝国の長である第76代ローラシア皇帝の生誕60周年記念パーティーが開かれていた。 テーブルには多くの食べ物や飲み物が用意されており、来賓者たちは各々楽しくやっていた。 そこに、合奏団による楽器の大きな音が鳴り始めた。 来賓者は皆部屋の入り口の扉へと向きなおす。 大きな扉が開き、その向こうの光が差すほうから一人の男と一人の女が歩いてきた。 それが第76代ローラシア皇帝と妻の内の一人であるティーエである。 二人は部屋の中央に敷かれている赤い絨毯の上をゆっくりと歩いていった。 来賓者たちは皆中央に向きなおし、盛大な拍手を送っている。 そして、二人は自分たちの座る席に着いた。
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