第壱話 ハジマリの日

6/6

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「あっ…」 目の前で起こっている惨劇に、メアリは絶句し腰が抜けてしまった。 「ビィクトリアァァァ!貴様、何をしているのかわかっているのか!!」 皇帝がビクトリアに向けて言った。 「あなたが言った教えを守っただけだ」 ビクトリアは剣を引き、皇帝に向けて一気に突き刺した。 剣先が皇帝の心臓を捉え、さらに身体の中へと食い込んでいく。 「ググッ…」 「ローラシアは私がもらう」 ビクトリアは不敵な笑みを浮かべた。 「貴様ァ…ッ」 「貴様の愚行もここまでだ!死んで後悔せよ!!」 ビクトリアは突き刺さった剣を思い切り抜き、剣身に付いた血を払うように剣を下ろした。 「貴様…も、私と同…じ最…期を迎える…ことに…」 「そうかもしれんな」 ビクトリアは絶命しそうな皇帝のことを冷たい目で見下していた。 そして、皇帝は彼女の目の前で死んだ。 「次は」 ビクトリアはマクシミリアンたちの姿を探した。 しかし、すでに会場には彼らの姿はなかった。 「逃げられたか」 ビクトリアは攻撃を止めるよう指示し、ローラシア帝国始まって以来の惨劇は終わった。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加