3人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
マクシミリアンたち3人は会場から逃げ延び、城下町に身を潜めていた。
「マックス兄さん…」
アルベルトが不安そうに呟いた。
マクシミリアンはアルベルトの頭を撫でる。
「大丈夫だ。俺がお前たちを守ってやる」
そう言って2人を抱き寄せた。
「しかしどうするか…」
その時だった。
街で一番大きなビルの壁に埋め込まれているスクリーンの画面が変わり、そこにビクトリアの姿が映った。
「帝国臣民の諸君。今日という日を如何お過ごしかな」
「ビクトリアッ…」
マクシミリアンはビクトリアの姿を見て歯をギリギリと鳴らした。
「今日私から皆に伝えなければならないことがある」
街を歩いている人たちは歩くのを止め、スクリーンに釘付けになっている。
「第76代ローラシア皇帝は今しがた私が殺した!他の皇族も全てだ!!」
その発言に辺りがどよめき始める。
「よって、他に皇位継承者がいないため、本日より私が第77代ローラシア皇帝に就任する!!」
「なにッ!?まさかと思ったが…あいつ、本当にこれが狙いで父上たちを」
マクシミリアンは愕然とした。
アルベルトとメアリも身を寄せ合って怯えている。
「私がローラシア皇帝だ!誰もさからえない!!」
画面の中でビクトリアの側近たちが彼女の周りに集まってきた。
「さぁ、始めようか…戦争を!!」
ビクトリアは悪意のこもった微笑を浮かべた。
最初のコメントを投稿しよう!