涙で頬を濡らして

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心の傷を癒やしてくれた 大切な人の悲しき運命 悔しくても何も出来ない そんな自分の弱さが嫌になる 君は1人なんかじゃない そう言われて顔を上げる その人までもが散ってゆく そして涙が頬を濡らしていく…… どれだけ悲しめば 人は前に進めるの 泣いてばかりで 何も出来ず ただ俯いている いくつもの出会いと別れ 何度も悲しみ、傷を負う 傷の数だけ強くなれたら それくらい願ってもいいでしょう? 涙が伝う頬を 優しく包む暖かな手 それさえも消えてゆく 人の儚き命の重み 泣きながら 痛いくらいに感じてた 愛を感じてた 孤独な心 一生懸命に救おうと みんな死んでゆく 「もうやめてよ……」 散りゆく様を 見ながら呟く 涙が頬を濡らしていた 気づいたらまた1人 何も守れぬまま 自分は守られた 傷だらけの心に 強さがあれば ただそれだけで…… 願いも悲しみも すべてが包んでゆく やがて少年は 逃げていただけの 自分に気づいて 涙を流しながら 駆けてゆく
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