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■夕菜 5幕目
私は気絶している彼の体を
「よしよし」と、
さすりながら
彼の顔を覗き込む。
寝顔がとってもキュート。
その瞬間、
瞳がバチっと開くと
彼は相当驚いた様子で
跳ね起きた。
私は人生最強のスマイルを
繰り出すと
「大丈夫?
心配したんだから・・」
と言い、恋の弓矢を放つ。
これで落ちないわけはない!
「だ、大丈夫だよ」
彼は少し照れながら
うつむき、口を開いた。
だ、ダメか!?
もう一押ししてみるか・・
「カッコよかったよ」
どうよ!
この一言!
更に私は
念には念を押して
彼を恋する乙女の目線で
見つめる。
見詰め合うこと5分?
くそう! ダメか!?
女の私のほうから
告白しろと言うのか!?
いや、待てよ?
私の気持ちに
まだ 気がついていない?
まさかね・・
こんだけアピールして
気がつかない男がいたら
それこそ
表彰もんの純粋さだよ。
私はハッとした。
しまった・・!
彼は そんな表彰もんの
純粋さを持つ
ピュアメイカーだった!!
手強いな・・
これは手強い・・
あの禁じ手を
使うしか無いか・・
私は制服を脱ぎながら
「ふー、熱い・・」
と、色っぽく言葉を吐いて
Tシャツ一枚になり
露出を高める。
彼は、目を丸くしたまま
その場に固まる。
ベタすぎたか!?
瞬時に『作戦ミス?』
という言葉が
頭の中を所狭しと駆け巡る。
どうだ!?
どう出る!?
ピュアメイカー!
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