両雄 衝突

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■隆人 3幕目 生温い風に乗り 香水の甘い香りがした。 その一瞬、 彼女は僕の目の前に その姿を現す。 本当ならば 天使が降り立つような 場面なのだろうが、 僕には彼女が 物の怪に見えた。 僕の本能は瞬時に 何かしらの危険を察知し レッドゾーンへ突入する。 そして僕は その本能に従い 素直に謝った・・ 「ご、ごめん!  本当にごめんね!」 こういう危機的状況には 謝罪するに限る。 男として、意味もわからず 女の子に謝るのもどうかとは 思ったが、 それほど彼女の存在が 危険だということだ。 その時である、 彼女が立つ奥の階段から 彼女より更に大きなパワーを 持つ物の怪の気配がした。 なんだ、 今日の僕はどうしたんだ!? いつもの平和な日々は どこいったんだ! 「おい! お前ら、  何をやってるんだ!  もうとっくに  授業始まってるぞ!」 くっ!本多先生か! マズい・・ マズいぞ、これは。 この物の怪 二人相手に 僕は どう切り抜ければ いいんだ!?
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