2.バスケ部

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私と直哉はドアの方に振り向いた。 「あっあの、仮入部届けって終わりましたか?」 息を切らしながら男の子がそう言った。 「新しい一年生?バスケ部入りたいの?」 「あっ、はい…」 「ダメだな……時間を過ぎてる。」 直哉は少しきつくいい放った。 「別に良いじゃない。あなた、バスケ好き?」 「はい!好きです!」 「よし。ならいい。」 そう言って私はその男の子に仮入部の紙を渡した。 「おい!何かってにしてんだよ!?ただでさえ、今年は人数が多いっていうのに…」 「いいじゃん~バスケが好きなんだし。」 私は直哉にそう言いながらその男の子にペンを渡した。 直哉は溜め息をつきながらその男の子に聞いた。 「名前、なんて言うの?」 「あっ、日野要です。」 「分かった。明日からは時間に間に合えよ……」 「はい!」 直哉の先輩らしいところはかっこいい………私は不意にそんなことを、心で思ってしまった。 日野要………… 私はこの時は彼をなんとも思っていなかった。
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