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「で、僕としてはこの縁談を受けたいと思っていますが、結婚してくれますか?」
「な、何で私が!」
やだ、嫌じゃないのに、何で私、拒否してるの!?
どうしたらいいの、もう泣きそう。
「サリア、今は僕しか見てないから落ち着いて、ちょっとだけ素直になって? 本当に僕とは結婚したくない?」
心臓がバクバクいってるのがわかる。
「…………………ちょっと、してもいいかなって思わなくも、ない……わ」
恥ずかしくて、でも勇気を振り絞って、何とか言えた。
「ちょっ、ちょっとだけなんだからね! わかった!?」
「ちょっとだけでもいいよ、今からうんと僕を好きになってくれれば」
あまりにも嬉しそうに抱き締められたので、私は……思わずひっぱたいて逃げた。
これが私の生涯の伴侶となるシェリアス・ラル・マルチェドとの出会いだった。
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