モテ期

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何でそんなことになってんだろ。 去年のことで一個だけ心当たりがなくもないけど、あれは関係ないはずだ、うん。 「……因みに、相澤さんの彼氏ってどんな奴?」 「んー、剣道ではほとんどの人が勝てないし、すごく格好いい上に、性格もいい。私にはもったいないくらいの人かなあ」 「そ、そこまで惚気ちゃうような人……なんだ」 「そ、そんなつもりじゃなかったんだけど、事実だから……」 実際ロシュ君以上の彼氏なんて見つかるとは思えない。奇跡的な確率で出逢えた運命の人だから。 あー、会いたいな。ロシュ君。 「遠距離だったら、俺にもチャンスあるかな」 「ごめん、ない」 「……彼氏が浮気したりとか、可能性がないこともないと思うんだけど」 「や、それもないと思う。真面目すぎるほど真面目だから、別れることがあるとすれば、ちゃんと別れようって言ってからしか他の人と付き合ったりしないだろうし」 不安要素は、ルー君が無理やり娼館に連れて行くかもしれないっていうことだけ。 「……ごめん、しつこいよな。でもさ、何かトドメがほしいっていうか、本当に好きだったから……」 「井上君……。わかった、そこまで言うなら…………」 私は悪女になる覚悟を決めた。 「彼氏の写真、見る?」 結果的に言えば、待ち受けにしていたロシュ君の画像は役に立った。 見慣れた私でも超美形だと思うのだから、他の人だとひとしおだろう。 「負けた……」と呟く井上君。悪いけど、止めを願ったのは井上君なので同情はしない。 これからも部長同士仲良くしようねとしか言いようがないので、井上君にも誰かいい子ができるといいなあなんて人事みたいに思った。 END _______________________ 書いてて、何か優奈ちゃんがひどい感じになった気がしましたが、はっきりきっぱり振るのが優奈式。
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