ゲームって非日常的なものじゃなかったっけ

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『アイディア料はもらってるから、文句は言えないのよねー』 「アイディア料?」 『美味しかったでしょ? この前の松阪牛。現物でもらっちゃった』 なんてこと! あのすき焼きはそういうことだったの!? 「……大変美味しゅうございました」 知らぬこととは言え、食べちゃったよ。 『優菜ちゃんに黙ってたのはママも悪いけど、普通、あれが事実だとは誰も思わないわよー?』 まあそうだよね、本当にあったことですよなんて吹聴したら、痛い子扱いしかされないよね。 「そのゲームを萌野がしてるのよ。シューさんが猫耳獣人になってたよ」 因みに人間に耳が生えてるバージョンの銀髪男子でした。声優さんがちょっと渋くていい声だった。 「ちょっと面白かったし、もう少し見てみたいから萌野のとこに泊まってもいい?」 『いいわよー、楽しんできてね☆』 さてさて、ママのOKも出たところで。 「萌野ー、泊めてね!」 「おー、……むう、何回やっても上手くルートに入らない。……これは……攻略wi○i見るしかないのかな……。しかし、見たら負けのような気がする……」 萌野がなにやらぶつぶつと呟いている。 シューさんの攻略ねぇ……。 「萌野ー、私にもちょっと貸して」 「いいよー、頑張れ」 明らかに期待してないっぽい。 「え、そんな選択肢選んだら皆の好感度下がらない?」 「そう? 以外にいけそうな気がする」 ○○をしましょうか? なんて言ってくる攻略キャラの手をほとんど借りない選択肢を選んで進めていく。 彼らに頼ればすぐ出来るものを、自力で何とかするわけである。まあ、一人で絶対出来ないようなことは最低限してもらうけど。 お蔭で皆さまの好感度がゼロかほぼそれに近い。唯一上がりも下がりもしないシュナイダーさんだけ、好感度がそこそこある状態だ。 シナリオの成り行き上絶対あるイベントで、主人公がライバルの失敗を擦り付けられ窮地に陥るので、誰かしら攻略キャラに頼る選択肢と、頼らない選択肢が出てくる。頼らなくても好感度がそこそこ高ければ誰かが庇ってくれるらしいのだが、ここでも敢えて『誰にも頼らない』を選んだ。 「マジか。こんなに周囲の好感度が下がってる状態で……ゲームオーバーになりそう……」 「あれ? 新しいイベントかな? スキップできないみたい」 「な、なんだと!?」
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