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「大公様からだって、父上が言ってました」
手紙の封蝋には、紛うことなき大公印が。
(こんな時に、一体何の用だろう)
ツェルトを何度かローザと見舞ったことはあれど、それ程懇意にしているという訳ではない。
訝しく思いながら、シュナイダーは手紙を開いた。
しかし、そこには意味の分からない内容があるだけで、シュナイダーは益々首を傾げる。
大公ともあろうものが、こんな意味不明の手紙を、意味もなく送る訳がない。
――なら、この手紙の、真の送り主は誰だ?
(まさか、ロジー!?)
二度程か
ことばを交わしたのは
くしくも
三度目はなさそうだ
ほかの者には
うまく伝えられない
もちろん君にも
つめたいと思うな
これが最後だから
これがローザからなら、内容に大した意味はないのだ。
昔やった言葉遊びの規則を当てはめて、シュナイダーは破顔した。
(了解!)
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