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ある日の優奈ちゃん。
「ママ、私やっぱり段取ろうと思う」
「あらあら、やっとなの? でもどういう風の吹き回し?」
二段まではそんなに難しくないらしいから、いつでもいいやと思ってるうちに、ずるずると延びてしまっていた。
「もっと強くなりたいから、ずっと上目指してみようと思って」
それに、段イコール強さとは限らないと思ってたけども、低段だとなかなか強い人とやる機会も無さそうだ。
腕をもっと磨いて、足手纏いにならないようにしたい。たったそれだけが難しいのは、……皆が常識外れの強さだから!
未だにママから一本取れないしね。
「道場の師範も喜ぶわよ、やっと優奈ちゃんが本気になったって!」
ママも嬉しいと顔を綻ばせた。
「そのうちシューさんも負かしてやるんだから」
そう意気込んだ私に。
「いや、それはどうかと……」
……流石にママのツッコミが入ったのだった。
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