何事もほどほどに

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規格外の美形はこれだからと、ルークの方が溜め息をつきたくなった。 「……それ、他の人の前で言わない方がいいっすよ。つか、羨ましい話で……」 友達に過干渉すぎるのはどうかと思えども、この手の話題に入れないのは少し問題だと思う。 とはいえ、未経験の悲しさか、元来の性格故にか、ロシュはあまりに露骨過ぎる猥談には逃げ腰になってしまうのだ。どこの女子だ。 ルークの身内はガラの悪いのが多いので、ロシュの話をしても、「媚薬でも盛って娼館に放り込めば? 嫌でもサカるだろ」という役に立たない助言しかくれなかった。 流石に、親友にそれは出来ない。 自分の経験談を話したところで、ロシュとはタイプが違いすぎる上、相手も海千山千の女性ばかり、まっさら純潔のレイナ相手では参考になるかわからない。 今更ながらに、うっかり者の自分のことを恨めしく思うルークだった。 「……隊の先輩方に聞いてみっかなー」 悪ノリしてロシュに色々教えてくれるかもしれない。 少し免疫がついたらいい。 「飲まなくても構わないから参加しろ」 「……はあ……」 ロシュが気のない返事をする。下戸のロシュはアルコールの類いをほとんど飲めないので、先輩達の言うところの、『飲み会』には参加したことがなかった。 だが、今回は直々に誘われての強制参加だ。 「……オレが飲めないの皆知ってるはずなのに……何でだろう」 解せないとロシュは首を傾げる。 「いーじゃん、雰囲気だけ楽しめよ。せっかく誘ってくれたんだからさー」 「うん……そうだよな」 瞬間、ルークはニヤリと悪い笑みを浮かべた。 計 画 通 り 。 話を持ちかけると案の定、二、三人が面白がって乗ってくれた。後の面子は何も知らないが、酒が入れば同じこと。 最初は和やかに日常の会話からスタートしても、アルコールの量が増えていくに従い、理性の紐も緩くなる。 異性がいれば別だったのだろうが、ロシュが気付いた時、もう既に話題は下半身の方へ流れていた。 「俺、初めての時はガチガチに緊張して、(ピー自主規制)が勃たなくなってよー、本気でどうしようかと思ったぜ」
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