3540人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
「あーわかる、焦れば焦るほどダメなんだよな」
「そうそう。まぁでも、相手が年上のお姉様だったから、『大丈夫よ、落ち着いて』なんて言って励ましてくれて、何とかなったけど」
このレベルならまだ上品なほうだ。
「なかなか入らなくて、(ピー)が萎えたりとか。あれも焦るな」
「入れる場所が違うって言われたり? 慣れないとそんなもんだよ」
「俺の知ってる奴は、興奮し過ぎて、突っ込む寸前で暴発したってさー」
「どんだけだよ」
「女もさあ、ひでーの、一生懸命やってんのに『下手くそ』とか。初めてであれ言われたら立ち直れねーよなあ。勃たなくなった奴いるぜ? 初めてなんだから、下手でもしょうがねーだろっつーの」
「そういうこと言う女に限って、寝っ転がってるだけでなんもしねぇんだよな。魚河岸の巨大魚みたいにされても、つまんねぇよ。せめて跨って腰振ってみせろっての」
「えー? 騎乗位より後背位のが燃えないか?」
「いやいや、座位だろ。鏡に映して楽しむの。くわえ込んでるとこまで全部見えるから、女も恥じらって、すっげえ興奮する」
「うっわ、お前そういうのが好きなの?」
品のない笑い声が上がる。いい具合に酒が回っているので、皆見事なまでに下ネタに走っている。勿論ストッパーなどいない。
幹事はルークがこっそり請け負っていたので、個室がある酒場を押さえている。どんな話をしても問題はない。
そんな中、一人素面のロシュは硬直していた。
「……ルーク、酒が入るといつもこうなのか?」
「あー、こんなもんこんなもん」
意図した部分が無きにしも非ずだが、一人がネタを振っただけで皆が食い付いてきているのだから、嘘ではない。
アルコールが入ってもいないのに、ロシュの顔が一番赤い。
「皆、やってるな」
「えっ隊長殿!?」
「嘘だろー!?」
聞いてないと悲鳴が上がる。一部にしか言ってないから当然だとルークがほくそ笑んだ。
請け負ってしまった本人が来なきゃ話にならない。勿論ここの支払いはシュナイダー持ちである(本人了承済み)。
「何だ、私が来たらマズい話でもしていたのか?」
最初のコメントを投稿しよう!