何事もほどほどに

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「あーわかる、焦れば焦るほどダメなんだよな」 「そうそう。まぁでも、相手が年上のお姉様だったから、『大丈夫よ、落ち着いて』なんて言って励ましてくれて、何とかなったけど」 このレベルならまだ上品なほうだ。 「なかなか入らなくて、(ピー)が萎えたりとか。あれも焦るな」 「入れる場所が違うって言われたり? 慣れないとそんなもんだよ」 「俺の知ってる奴は、興奮し過ぎて、突っ込む寸前で暴発したってさー」 「どんだけだよ」 「女もさあ、ひでーの、一生懸命やってんのに『下手くそ』とか。初めてであれ言われたら立ち直れねーよなあ。勃たなくなった奴いるぜ? 初めてなんだから、下手でもしょうがねーだろっつーの」 「そういうこと言う女に限って、寝っ転がってるだけでなんもしねぇんだよな。魚河岸の巨大魚みたいにされても、つまんねぇよ。せめて跨って腰振ってみせろっての」 「えー? 騎乗位より後背位のが燃えないか?」 「いやいや、座位だろ。鏡に映して楽しむの。くわえ込んでるとこまで全部見えるから、女も恥じらって、すっげえ興奮する」 「うっわ、お前そういうのが好きなの?」 品のない笑い声が上がる。いい具合に酒が回っているので、皆見事なまでに下ネタに走っている。勿論ストッパーなどいない。 幹事はルークがこっそり請け負っていたので、個室がある酒場を押さえている。どんな話をしても問題はない。 そんな中、一人素面のロシュは硬直していた。 「……ルーク、酒が入るといつもこうなのか?」 「あー、こんなもんこんなもん」 意図した部分が無きにしも非ずだが、一人がネタを振っただけで皆が食い付いてきているのだから、嘘ではない。 アルコールが入ってもいないのに、ロシュの顔が一番赤い。 「皆、やってるな」 「えっ隊長殿!?」 「嘘だろー!?」 聞いてないと悲鳴が上がる。一部にしか言ってないから当然だとルークがほくそ笑んだ。 請け負ってしまった本人が来なきゃ話にならない。勿論ここの支払いはシュナイダー持ちである(本人了承済み)。 「何だ、私が来たらマズい話でもしていたのか?」
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