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再度盛り上がり、また話題がロシュの苦手分野に戻るのに時間はかからなかった。
しかし、異性ではないがシュナイダーがいるというだけで話の質が変わる。
「……そりゃがっつくのが悪いんだろ。いきなり胸なんか揉んだら、叩かれてもしょうがねーよ」
「あんまり手間を省いてたら、そのうち演技されるぞー?」
「うへぇ、ヤなこと言うなよ」
「相手を満足させるのが面倒だと言うなら、それこそ一人でシコシコやってろ、としか言いようがないな」
「ご尤も」
あからさま過ぎる表現が少なくなった所為で、ロシュも真面目な顔をして聞いている。
そんなロシュに、真面目に聞く話かとルークは爆笑しそうになったが、何とか俯いてこらえた。
「隊長殿ー、是非意中の相手の落とし方を教えて下さーい」
「そうだな……いい雰囲気になった時、五刹(秒)見つめて」
シュナイダーが横に座っていた隊員の一人をじっと見つめる。
「かわされなければ、そのまま……こう」
首の後ろに指を滑り込ませ、引き寄せた……ところで隊員が悲鳴を上げた。
「たっ、隊長殿っ、俺を見本に使うのやめて下さいよ!」
「ああ、済まん。近くにいたから、つい」
シュナイダーに他意がなくても、された方はたまったものではない。「俺にその気はない、その気はない……」と自分に言い聞かせている隊員その一を見て、周りは冷や汗を流した。
「恐るべし、魔性……」
「目ぇ合わすな、オトされるぞ……」
「お前ら、隊長殿と一ヶ月一緒でよく平気だったな……」
「へ? 何がっすか?」
同性にも言い寄られてしまうシュナイダーの魔性も、スーパーノーマルなルークには通用しない。ロシュに至っては、レイナしか目に入ってないので、論外である。
「ところで、雰囲気壊れて萎えた時って、どうしたら復活しますかねー?」
ルークが話を振る。途中はおまけ、これが本命の話題だからだ。
「そのくらいで萎えるか?」
「邪魔が入ったりとか? 確かに、俺は萎えるなー。雰囲気大事」
「俺、足広げてもらえばすぐ復活するけど」
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