何事もほどほどに

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「そんなん、相手にもやる気があるなら、直接ナニを刺激してもらえばすぐじゃね? 手とか口とか、相手によっちゃ胸でしてもらうのもありだな」 「何それ、羨ましいなおい」 話が逸れる前にルークがまとめる。 「自分にやる気がなくなって萎えたんじゃないなら、相手に頑張ってもらう、と。でも、相手が初めてじゃ無理でしょ、それ」 「あー、そうだな」 「ヤシュカ、処女とヤる予定でもあんの?」 「あー……いや、ただの感想っす」 シュナイダーの目がちょっと怖い。ルークは言葉を濁した。 「俺の経験からだが、とりあえず、相手と自分の気持ちを盛り上げるのには、もう一度抱き締めるとこからやり直すのがいいのかもな」 「なるほど」 ルークには、これがロシュに一番参考に出来そうな意見のように思えた。 ルークは話を振ろうとロシュに目をやった。途端、……暫し沈黙した。 参考意見が出るまでの発言は刺激が強かったらしい。いや、ひょっとしたら、うっかりレイナで想像してしまったのかもしれない。 「……さっきの聞いてたか?」 「聞いてひゃ(た)……」 「……愚問だった、聞いてなけりゃこんなになんねーよなー……」 ロシュは見事に(鼻から)流血沙汰だった。ハンカチで押さえている姿が、非常に情けない。 (エイダ嬢、ロシュ【スタット】に免疫をつけるのは無理だと思います) ルークとシュナイダーはほぼ同時に思ったという。 どうやら、ロシュにその手の免疫がつく日は遠いようである。 end
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