プロローグ

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「エクサ・バグに関する簡潔な研究レポート」 著:ミネダ・トシユキ教授   エクサ・バグの生態についてはまだまだ分からない事が多い。 まず、なぜ土星の衛星にあれだけの生命体が存在しているのに今まで我々は気付かなかったのか。 それについては、エクサ・バグが使う重力波による空間湾曲が大きく関係していると私は考えた。 エクサ・バグは何万匹という単位の集団で重力波を発生させ、その力で空間を湾曲させ、地球や月までやって来るという事は判明している。 何故エクサ・バグがこのような能力を持っているのか、どのような仕組みで空間湾曲を起こしているのか等は未だ謎のままである。 私はエクサ・バグがこの空間湾曲を使い、外宇宙等の未開拓地からはるばるこの太陽系へと飛来し、土星の衛星タイタンを中継地点とし、地球や月に飛来しているのだと考えている。 次に、エクサ・バグに対抗するべく産み出されたスカイラブについてだが、これもまた謎だらけだ。 一体誰が造ったのかという謎もあるが、何より不可解なのが、あまりにも未知のテクノロジーを搭載し過ぎているという点だろう。 反重力スラスターや亜空間突入システムなど、その最たる例だろう。 噂では、搭乗者の感情によってその力を増幅させるとの話もあるが、真相は定かではない。 また、これだけ未知のテクノロジーを搭載していながら、何故量産が可能なのか? 私には、人類以外の何者かがこれを造り出したとしか思えない。 しかし、スカイラブが現在エクサ・バグに対抗し得る最も有効な兵器だというのもまた事実である。 我々はこの得体の知れない兵器に嫌でも頼らねばならないようだ。
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