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亜美は、明里の友人だから幼なじみである柊とは自然と仲良くなっていた。
亜美はこんな調子だから、同性に嫌われていて
同じく同性に嫌われている柊とよく一緒に時間を潰していたりする。
柊も、今日の呼び出しはいつも通りの事だと思っていた。
「だって、亜美、自分を一番に思ってる人は駄目なんだよね~。なんか苦しいんだよね…しかも亜美が同じくらい好きじゃなきゃ重いし」
「……恋愛相談っすか?」
「ブッブー、はずれで~す。恋愛観の事です」
やや亜美に振り回されつつある柊は、この小さい子どもみたいな年上の話を、我慢して聞く事にした。
話したくてウズウズして見えていたのもあるが、自分が話して場を盛り上げるよりこっちの方が楽だったからだ。
「その点、彼女がいるけどお構いなしに口説く人とか、楽だし超好き。
やっぱ彼女がいる人は、後ろめたい気持ちから亜美の我が儘沢山聞いてくれるし、
亜美が優位に立てるし~」
「亜美は可愛らしい姿した悪女だね~」
「へへ、ありがとう」
可愛らしく柊の肩に頭の体重を預けて笑った。
髪からシャンプーの良い香りがして柊は顔がにやけていた。
「だから、亜美は愛人志望なんだぁ」
亜美は、柊の片方の肩に両手を乗せ、柊を見つめた。
「お互い、丁度良いと思うよ~」
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