日常。

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自分でモテる、と言うが、柊は本当に綺麗な顔立ちをしている。 英日のハーフで、サラサラで柔らかい色素の薄い髪に薄い茶色の瞳、 身長も高く、細身だが程よく筋肉もついている。 時折、絵本から飛び出した王子みたいと囁かれるとか、囁かれないとか。 「お嬢様学校の女まで手を出しちゃって……本当に呆れるわ」 明里は鞄から携帯とハンカチを取り出した。 「ちゃんと冷やさないと、腫れたら直ぐに噂は広まるからね」 そう言ってさりげなく携帯で時間を確認する。 「うん。ありがとう、明里」 柊は可愛いらしく笑うと、嬉しそうにハンカチで頬を押さえた。 「いいえ。保護者ですから」 呆れつつも、柊を心配しため息を溢す明里。 柊は綺麗に整った顔で、子どもの様に笑って手を振った。 「湊君との大事な密会に、遅刻させてごめんね~」 早く行った方が良いよ、と意地悪気に言う柊を、明里は憎らしく思いつつ、一瞥すると学校に向かってまた歩き出した。 朝から詰まらないものを見せられ、その上に遅刻までしてしまうなんて、 本当にツイてないな、と心の中でまた呟いた。
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