日常。

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「は? 弟ぶるの辞めてよね。キモイ」 切り捨てるように言うと、柊は甘えた声で湊に彼女がいじめる~と助けを呼ぶ。 「君の甘えた声が利くのは、女性限定じゃないかな?」 湊はスマートに受け流すと、明里に微笑み窓を閉めた。 「明里には効かないもん」 「もん、とかアンタ何歳よ。ぶりっこする相手が居ない今くらい普通に話せないの?」 明里が柊の正面に周り、全身を冷ややかに値踏みしながら言う。 柊は甘えた上目遣いから、苦笑に変わった。 「ぶりっこじゃないよ。俺、営業しなきゃ男友達少ないんだもん」 ポケットに両手を突っ込み、溜め息をつきながら笑う。 明里は嫌そうに柊を見つめたが、応えはしなかった。 「そういや亜美は?」 「亜美先輩、でしょ! 亜美なら音楽室か保健室だろうけどまだ早いから来てないと思うよ」 「じゃあ、待っとく。 運命ならば待ってる方に来てくれるだろうからさ」 スキップ一歩手前くらいな、陽気な足取りで校舎に入っていく。 明里もしばらく見つめていたが、溜め息をこぼすと湊の教室へ走って行った。 離れていく、2人の距離は、 闇夜では見えず、分からず、 けれど確実に、 離れていく。  
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