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『告白の弾丸』が路地をかける。
息吹楓も言葉と同じように内部にためていたのか、それとも笑名先輩のように自ら生み出したのか、『ため息の壁』で言葉の攻撃を防ぐ。
軋みを上げながら何とか相殺するに至ったが、言葉の手には既に次弾が装填されていた。
「馬鹿な、これだけの力がありながらまだ余力があるのか!?」
言葉はやはり躊躇わなかった。
息吹楓も二度目の防御を試してはいたが、先程よりも簡単にそれは破れ、そして彼の身体は嘘みたいに吹っ飛んだ。
呆気にとられていた叶助は、ようやく事の重大さに気づく。
「おい! お前少しは加減しろよ! 死んじまったらどうする!」
「このくらいで死なないわよ」
確かに息吹楓は動いているが、命に別状がないとは限らない。
頭でも打てば重傷を負うに違いなかった。
「くっ……さすがは『コンフェッション』だな」
息吹楓はふらふらと立ち上がる。
しかし笑名先輩に攻撃された時のように逃げようとはしなかった。
「負けてばかりだな、アンタ。タフな奴だよ」
「何の用なの? 少しだけ気が済んだし、話を聞いてやってもいいわよ」
八つ当たりも済んだようで、言葉は不機嫌そうにだがそう言った。
「そうか。では遠慮なく話させてもらおう」
「病院いかなくていいのか」
「大丈夫だ。だが、場所は変えようか」
叶助達の返答は待たずにに息吹楓は歩き出した。
話は聞くと言ってしまったから、仕方なく叶助達はその後に続いた。
その道すがら、我慢出来なくなったのか息吹楓は語りだした。
「以前、言ったかと思うが、君のような野良の異能者を狙っているのは、我々探偵社だけではない」
「何となくわかった。向こうから接触してきたし」
息吹楓は一瞬立ち止まる。
「彼らが接触してきた?」
「狙いは私じゃないみたいだったけど」
「君ではない?」
再び歩きはじめながら、息吹楓が訊ねる。
「ええ。『ラフ』と『クライ』って知ってる?」
言葉はあの状況でちゃんと聞き取り覚えていた。
「なるほど、彼らが。ということは、君は彼らが異能者だと知っているんだね」
視線が向けられたのは言葉だった。
叶助の場合は笑名先輩の力を間近で見ていたので問う必要はない。
それに叶助は感性力異能者ではないので、やはり関係があるのは同じ感性力異能者である言葉だ。
「笑名誠のことはは能登からきいた。笆乃哀は……さっきはじめて知った」
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