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「優輝…君…。」
「あ、俺のこと分かる?良かった。」
嬉しそうで恥ずかしそう。ハニかんだ笑顔を私に向ける。
「何で私の名前…。」
「香織さん、美人だから。ちょっと有名…。」
「私、有名なんだ…。初耳。」
「てか大丈夫?どうしたの?」
優しい声。
私、何考えてんだろう。バカだな。
汚い。
「失恋を…少し。」
「少し?…まぁ…えっと…。」
優輝君は私の頭を撫でた。
「よしよし。」
余計泣きたくなっちゃう。
そんな私を見て優輝君は困った顔で笑顔。
優しい笑顔だな…。
「ごめんね。おれ、邪魔?」
「イヤだ…。」
放されると思って私は優輝君の手を掴む。
「もう少し、一緒に居て…。」
私は汚い。
結局、落ち着いた私は優輝君をおいてサパッとその場を立ち去った。
我に返って恥ずかしくて逃げた。
小心者。
好きでもない人に無駄に振られたらどうすんの…。傷付きに行ってどうすんの。
もう絶対優輝君には会えないっ合わす顔無いっ。
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