『ワタシ』という存在…

39/40
前へ
/187ページ
次へ
「あ…兄貴。大丈夫なのか?」 「…フンっ。なる様になるさ。それよりみんな…嫌な思いさせてすまんな?」 兄貴は…少し変わったな… 寿子に会ったあの日から… 俺も…変わらなきゃな。 「光宏。あいつは…素直じゃないから、ついあんな事言っちまったんだ。本当は寿子さんに申し訳なくて… つい言ってしまったあの時の言葉を…未だに引きずっているんだ。」 「あの時?」 「お袋の介護…誰が診るかって話の時だ。どうあったって、長男の俺達が診るであろうと思って、ちょっと皮肉を言ってしまったら…寿子さんが『自分達が診る』って。 引っ込みがつかなくなって、お前らにお袋を任した結果… こんな事になってしまって… アイツも…責任を感じてるんだ。」 「…そうか。」  
/187ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6588人が本棚に入れています
本棚に追加