◆儚き夢

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その瞬間、入り口は崩れた。   君と僕の間には、ぶ厚い壁ができてしまった。   「っ!?大丈夫!?ねぇ!大丈夫なの?」   必死そうな君の声が、土の向こうから聞こえる。   良かった、無事だった。   腕が一本通りそうな隙間があったから、手を入れてみた。   すると、君の手と出会った。   あぁ、やっぱり震えてる。   そうだ。   「ねぇ、かくれんぼしよっか」   「かく、れんぼ・・・・・・?」   「そう。僕がここで隠れてるから、君が大人を呼んで来て僕を見つけてよ」   「わ、わかった。待っててね」   離れていく君の手を、もう一度ぎゅっと握った。   「僕、ちゃんと守るからね」   「うん。二人だけの秘密の約束、私も守るよ」   君の手は、そっと離れて、駆けていくのが音でわかった。   約束は守る。   永遠に一緒。   でも、どうせならもう一度君の笑顔を、君の声を、君のぬくもりを感じたかった。   ほら、最後のわずかな空間も潰されていく・・・・・・。
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