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見上げれば、広がる青空。
見下げれば、転がる猫の死骸。
目の前には、貴方との思い出の百日紅。
無残にも花はすべて散ってしまった。
それはまるで、すべてを奪われた私のよう。
家族を奪われ、友達を奪われた。
大人たちの勝手な都合のせいで。
たくさんの人が、たくさんのものを失くして泣いた。
そんな中、私が立つのは百日紅の木の下。
貴方に助けられた命と共に。
貴方との秘密の約束と共に。
蝉が鳴き止まない。
それは、永遠へと続く鎮魂歌のようだった。
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