◆終焉の夢

3/4
前へ
/17ページ
次へ
こんなにささいな夢なのに、どうして叶わなかったんだろう。   視線の先には、潰れた黒こげ防空壕。   こんなに早く離れてしまうのか。   永遠を誓った夏は、友達の消えた夏。   綺麗で悲しい秘密は、二人だけのもの。   「ありがとう。また、会えるよね」   貴方が見つからないから、終わらないかくれんぼ。   あの頃のように貴方を探す。   終われないかくれんぼ。   一人でいるのは、恐くて寂しい。   すぐにでも泣き出してしまいそうなほどに。   「もういいかい・・・・・・?」   貴方に会いたくて泣いた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加