◆儚き夢

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案の定、君はそこにいた。   真っ赤な花を咲かせた百日紅の木の根元。   恐怖のためかうずくまってたね。   躊躇いなく駆け寄る。   危険なんて関係ない。   「やっと見つけたっ」   泣き顔をあげた君は、僕が笑いかけると安心したように笑って、飛びついてきてくれた。    「ごめんね?すぐに見つけてあげられなくて」   「ううん。だいじょーぶ、だから」   幼いながらに、守ってあげないとって思った瞬間。   君も一人で恐かっただろう。   でも僕も恐かったんだよ?   君がいなくなっちゃうんじゃないかって。   離れ離れになるんじゃにないかって。   本当に、無事でよかった。   そして、僕たちは近くにあった小さな小さな防空壕に隠れた。   いつまでも百日紅のところにいるのは危険だから。  
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