02.二月前の7月

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グスッ…グスッ…   なんだか女の泣き声が聞こえた気がした。   グスッ…グスッ… どうやらもう一つあるベンチで泣いているらしい。   なんだか気になった僕は、目を凝らして、もう一つのベンチをみると、泣いている女がいる。     『…ン??紗恵?』 よく見ると紗恵のようだ。思わず声がでた。 『──え?誰??』   僕は紗恵に近寄った。 『僕だよ、成瀬。同じ学校の成瀬和也。』 『あっ、成瀬クンか!どうしたの!?こんなとこで』 紗恵はそういうと隠れて涙を拭いた。 『どうしたの!?ってお前こそ。僕は風が気持ち良くてさ…考え事してた。』 なんだか紗恵のことを考えてたのに、その事をいうのに少しためらった。
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