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グスッ…グスッ…
なんだか女の泣き声が聞こえた気がした。
グスッ…グスッ…
どうやらもう一つあるベンチで泣いているらしい。
なんだか気になった僕は、目を凝らして、もう一つのベンチをみると、泣いている女がいる。
『…ン??紗恵?』
よく見ると紗恵のようだ。思わず声がでた。
『──え?誰??』
僕は紗恵に近寄った。
『僕だよ、成瀬。同じ学校の成瀬和也。』
『あっ、成瀬クンか!どうしたの!?こんなとこで』
紗恵はそういうと隠れて涙を拭いた。
『どうしたの!?ってお前こそ。僕は風が気持ち良くてさ…考え事してた。』
なんだか紗恵のことを考えてたのに、その事をいうのに少しためらった。
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