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流星は道路を見た。
剛の車は見あたらなかった
歩道を見た。
剛の大きな背中は見あたらなかった
竜也を見た。
優しい笑顔は流星を安心させた
「行く」
流星は竜也の袖を掴んだ
「よし、じゃあ行くか。まず店に顔出さなくちゃいけねぇや」
竜也は立ち上がり、流星の手を引いて自分の店へ向かった
「流星…流星って言いにくいからお前は今度から"龍(リュウ)"な。」
「…ん?うん。」
「そして名字は赤坂(アカサカ)。わかった?」
「はい…」
流星は大人しく従った
もう、風間家の子供じゃなくなった
「言ってみ?自分の名前」
「…あかさか…りゅう」
「正解だ」
竜也はそう言って龍を抱え上げ、自分の肩に乗せた
「肩車、初めて?」
「うん」
龍は自分が初めて見る世界に魅入っていた
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