Ⅰ-1

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流星は道路を見た。 剛の車は見あたらなかった 歩道を見た。 剛の大きな背中は見あたらなかった 竜也を見た。 優しい笑顔は流星を安心させた 「行く」 流星は竜也の袖を掴んだ 「よし、じゃあ行くか。まず店に顔出さなくちゃいけねぇや」 竜也は立ち上がり、流星の手を引いて自分の店へ向かった 「流星…流星って言いにくいからお前は今度から"龍(リュウ)"な。」 「…ん?うん。」 「そして名字は赤坂(アカサカ)。わかった?」 「はい…」 流星は大人しく従った もう、風間家の子供じゃなくなった 「言ってみ?自分の名前」 「…あかさか…りゅう」 「正解だ」 竜也はそう言って龍を抱え上げ、自分の肩に乗せた 「肩車、初めて?」 「うん」 龍は自分が初めて見る世界に魅入っていた
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