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「ただいまー」
小学生一年生の風間 流星(カザマ リュウセイ)は、いつも通り学校から帰ってきた
いつもなら母親の瑞穂(ミズホ)が笑顔で「おかえり」と言って出てくるが、今日は違う
誰も出てこなかった
「…お母さん?」
流星は不思議に思って靴を脱ぎ、リビングへ走った
「ただいま」
リビングに行くと両親とがソファーに座って何かを話していた
「あ、流星、おかえり」
父親の剛(タケシ)が流星に気づいた
「流星、帰ってたの、おかえり」
瑞穂が気づき、笑顔で言った
「ただいま」
瑞穂の笑顔で安心し、流星は笑顔で自分の部屋へ行った
ランドセルを降ろし、黄色いぼうしを脱いでボサボサになった頭を鏡を見て綺麗になおした
明日の時間割をしよう、そう思って本棚を見た
「……あれっ?」
本が無い。
教科書はあるが、余ったスペースに置いていた自分のおもちゃが無くなっていた
流星は両親におもちゃのことを聞くためにリビングを開けた
「おかさあ…」
「どうするの?」
――――ビクッ
瑞穂の冷静な声を聞いて流星の体は固まった
「流星を…どうする気なの?」
『僕…どうかされちゃうの?』
出て行きたくても、出ていけない状況だった
流星はドアの隙間から二人の姿を見て、聞き耳をたてた
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