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「ねぇお父さん、どこに行ってるの?」
流星は辺りの景色を見渡した
ネオンの明かりで眩しかった
看板に書かれた文字は流星には読めず、何のお店か分からなかった
「もうすぐ着くよ」
外は、スーツを着た茶髪のカッコいいお兄さんや、細くて髪の長い綺麗なお姉さんがたくさん歩いている
スーツを着たお兄さんはいっぱい着飾ったお姉さんと楽しそうに話しながら明るい店に入って行った
そこは流星が初めて来る"繁華街"と いうところだった
流星が外の世界に見入ってると急に車が止まった
流星は驚いて剛を見た
「流星、降りなさい」
流星は言うとおりにシートベルトを外して車を降りた
「お父さんは、車を止めてくるから」
「はい…」
「…じゃあな」
剛はそう言って車を進ませた
そして流星は一人になった
少し心細かった
すぐそこにあったベンチに腰を下ろし、流星は剛を待った
流星の目の前を何人もの人間が通り過ぎた
時々「かわいぃ~」と流星に言う女性がいた
流星は目の前を通り過ぎていく人間が怖かった
「お父さん…遅いよ」
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