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流星は怖くなって泣き出してしまった
「あ――――っ!お父さ―――ん!早くきてよーっ」
流星の叫び声に大人たちが立ち止まった
「あ゙―――っ!うぐっ…ぐすっ…ううう…」
涙で視界が曇る。
一生懸命涙を拭い、前を見る
車は次から次へと流星の目の前を通り過ぎていく
人間の流れも流れて行った
いくら待っても剛は来なかった
流星は両親の会話を思い出した
『流星をどうするつもり?』
『あいつなら大丈夫だ』
『流星を連れて行かないで!』
母、瑞穂の涙、そして"じゃあな"と言ったときの父、剛の顔を思い出した
「僕…捨てられちゃったの…?僕、どうすればいいの?」
流星は泣きながら言った
でも答えてくれる者はいなかった
「うぅ――――…」
流星の目から涙が絶えることなく流れた
流星が声を上げて泣いていると一人の男が流星の前でしゃがみ、流星の顔をのぞき込んできた
「あらあらあらあら、すっごい顔。僕、迷子?」
その男は黒いスーツに身を包み、金色の髪は盛ってあり、香水の匂いが凄い、いわゆる"ホスト"だった
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