花模様

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剣に生き28年。 そこいらの男なんぞ目じゃないくらいの美男子。 それがつい昨日までの自分だったはず。 宮本千里は本日何度目かの溜息を吐き出し、能天気に晴れ渡る空を見上げた。 外出では凛々しく見える装いだが、普段は普通の子女が着るような着物だ。 「ごめんくださいましー。小間物屋でございますー」 「あ・・・・はい!」 裏木戸から馴染みの小間物屋が顔を出していた。 「なにやら物憂げでございますね。今日はいいもの持ってまいりましたので、ぜひぜひご覧下さい」 にこにこと微笑むおかめ顔の女は、担いだ箱から紅や白粉、櫛など女向けの化粧品並べ一番下から草子を取り出した。
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